メモ代わりに使わせてもらうわ

重症度加味したDPC評価、研究班で議論 厚労省・福田企画官(MF)
 厚生労働省保険局医療課の福田祐典企画官は25日、東京都内で開かれた日本外科系連合学会の特別企画「医療経済と包括医療」に出席。診断群分類の精ち化に絡み医療現場の要望が強い「患者の重症度」を踏まえた点数評価について、「現行の診断群分類の種類はなるべく増やさずに、重症度や年齢を踏まえた臨床成果とDPCの報酬をいかにリンクさせられるのかが課題だ。今後、厚労省研究班で議論を深めていきたい」との考えを明らかにした。

 特別企画のセッション終了後、福田企画官は本紙の取材に対して、DPCの次回見直しに向け、重症度を反映した報酬の在り方について、「まず、重症度の評価が必要な疾病(診断群分類)を洗い出す。その結果、すでに重症度に伴う段階的点数評価を行っているDPCについては、現行の点数設定の妥当性を検証する」と説明した。

 重症度のアップと包括評価点数のアップが連動せず、乖離(かいり)が起きているとされる問題については、「これまでもいろいろな会合で指摘を受けている。病態が軽症の方が評価が厚いという一部の実情は、合理性を欠くもので、次回改定に向けた重要な検討課題だと受け止めている」と述べた。

 一方、セッションで東京女子医大心臓血管外科の西田博助教授は、ほかの診断群分類に比べて出来高算定の比率が高い循環器系疾患について、「特定保険医療材料と薬剤は包括範囲に盛り込むべきだ。それによって、現在の公定価格の市場から市場競争原理を活用した包括評価体系に再構築すべきだ」と問題提起した。

 さらに同助教授は、高額薬剤を含む9つの診断群分類が7月から出来高払いへ移行することについて、「診療報酬体系として、モノ(特定保険医療材料)と技術の分離を進め、技術料をアップさせてほしい。その意味でも医療材料などの包括への取り込みを進め、モノの価格を市場に委ねるインセンティブを与えるべきだ」と強調した。

 福田企画官は、「(高額薬剤、医療材料などが)DPCが抱える課題の1つとして顕在化していることは認識している。診療報酬における“モノと技術”の分離論は、国が目指す方向と一致している。この方向性を共有しながら、学会から建設的な意見をいただき、検討を深めていきたい」と回答。緊急見直しの9診断群分類については、DPCの次回見直しの中で再検討を進めるもので、改定以降はDPC包括評価対象に再度、取り込む予定だとした。

(6/29赤新聞)